黄昏読書16 「海が見える家」「海が見える家 それから」 はらだみずき

「自分の人生を楽しもうとしているか?」

 

この問いかけを説教くさくなく、ライトに感じられるのが心地いい。

1、2日で読めてしまう。

 

昔、ラジオで紹介されていて、面白そうだなと思っていた本。たまたま本屋で見つけて、手にした。

 

主人公の文哉は、就職して1ヶ月で会社を辞めてしまい、憂鬱な日々を送っている。そんな中、上手くいっていなかった父が亡くなったと連絡があり、ゆかりのない南房総の海の見える家で生活していた事が分かる。父の生きていた証を探る中、その家で生きていく事を決めた。

 

続きである「海が見える家 それから」は、釣りや畑作りで自給自足生活を目指し、土地の人達との交流を通して、生きることに自信を深めていく姿が描かれてる。

 

印象的だったのは、価値を「忙しさ」ではなく、いかに「自分の時間をつくれるか」に置くこと。

そして自分や周りの人に何ができるかを考えること。

 

inputからoutputを余裕を持ってしたい

 

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黄昏読書15 金閣寺 三島由紀夫

劣等感を抱えた者が、圧倒的な美を前にして狂わされる

 

ただ三島の計算された絢爛豪華な文体は、陰鬱さを感じさせず、引き込まれていく。


昭和の興亡を目の当たりにして、取り残された三島は自衛隊駐屯地での自決した。

その時45歳。


自分がその年齢に近づき、初めての三島の作品。

コロナ禍で変わらないもの、大切なものは家族と仲間と改めて気づき、これからも楽しい事も辛い事もあるけど前向きに生きないと。


コロナ落ち着いたら息子と20年ぶりに、金閣寺を見に行ってみよう。

そして、これを機にもう少し三島の作品を読んでみよう。

 

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黄昏読書14 「妻のトリセツ」 黒川 伊保子

知ってるつもりだった。

 

今回は以前話題になった本。

自己の記録のため徒然なるままに書きます。

 

解決策を提示するのではなく、共感が大切。

この本以外にも、聞いたことがあったけど、ついつい「これは○○したら」と言ってしまいそうになる。

実践は難しく、訓練が必要。

 

また最近、仕事で3週間ほど家を離れることがあった。

食生活の乱れやストレスから胃腸の調子が悪くなり、晩酌ができなくなり、その後食事が苦となった。

しかし、家に帰って2,3日で症状は全くなくなった。

早速、妻からの小言はあるが、ルーティーンのように奇妙だが心地良い。

 

どれだけ支えられているか、知ってるつもりでしたが、改めて感謝。

 

「夫婦の道は、照る日も曇る日も嵐の日もあるけれど、継続は力なりである。最後の峠に咲く花は、案外、優しくてふっくらしている。」

 

 

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黄昏読書13 スマホ脳 アンデシュ・ハンセン

スティーブ・ジョブズは、自分の子供にiPadを触らせなかった。

 

スマホ

・知能を低下させる

・周知力を低下させる

・鬱を引き起こす

 

またSNSを利用する人ほど幸福度は低い

 

脳科学に基づいて、スマホによってHAP系が作動し、「闘争」か「逃走」を促し、不安にさせる。 

また最新ドラックみたく依存度が高いと説明している。 

 

スマホがドラックとは思ってもいなかったが、

確かに以前と比べて、本や映画を見てても何かスマホが気になり、集中はしづらいし、いいねは気になるものだ。

 

スマホ脳から脱却するためには、

●心拍数が上がる運動をする

●スクリーンタイムは2時間以内にする

 

早速、アプリからの通知をほぼオフにしてみた。

時間は腕時計に戻してみよう。

起床アラームも目覚まし時計に戻そう。

 

これは子供がもう少し大きくなったら読ませないと。

 

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黄昏読書12 そしてバトンは渡された

親になると、明日が2つになる

 

「自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が、やってくるんだって。親になるって、未来が二倍以上になることだよって。明日が二つにできるなんて、すごいと思わない?」

 

文中にあったセリフ。

 

長男はサッカー選手と小さい頃から言ってるけど、最近はTVの影響か弁護士、また母親の影響か看護師と言っている。

親が2人とも医療従事者だしなどとも頼もしい。

これから何にでもなれる輝かしい未来が待ってる。

 

うちは子供が2人いるから、明日は3つになるのかな。

 

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黄昏読書11 「コロナ後の世界を語る」

コロナは現在進行形であり、過去完了形ではない。

 


各界の著名人達が2020年春頃に、コロナ後の世界について語ったものがまとめられている。

1年前経って、概ねその通りとなっているというか、当時の課題がそのまま残っている。

 


経済的損失、格差の助長、差別や偏見、ワクチンの遅れなど。

 


長期的な展望に関する話は少なかったが、興味深い内容だったのは2つ。

 


斎藤環 「人と会うのは暴力」

他人と関わる事は労力を要し、傷付くこともあり、暴力性を秘めていると。

ただ会う前は気が重くても、やっぱり会って良かったと思う事は多々あり、その逆も然り。

コロナで不要不急?な関わりがなくなり、精神的な軽さを感じることもある。

 


しかし多数の合意やイメージの共有をする時にzoom会議では上手くいかない。

やはり会って話すしかないのか、我々の脳内意識の変革が足らないのか。

 


人と会わないことが長期に渡った、あるいはノーマルになった世界を経験している子供達が受ける影響は気になる。

プレイディみかこさんが同じようなことを提言している。

今の子たちが将来指導者的立場になったときに、世界はどのようになるのかと。

 


今、第4波の入口と言われている。

潮騒は心地よく安らぐが、波がしばらく嫌になりそうだ。

 

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黄昏読書番外編 

シン・エヴァンゲリオン劇場版


今日は久しぶりに何もない平日休みだったので、見て来ちゃいました。


高校生の頃、TV版を見てから25年。

見終わって、これで本当に終わり。

なんか喪失感とともに卒業の気持ち。


思春期真っ只中の高校生は、シンジに自分を重ねてた。

大人への嫌悪感と10代特有の孤独感。

あの頃はエヴァはオタクと言われ、サッカー部の周りにはエヴァの話題しにくかった(^ ^)

今日は若いカップルも多く、時代の変化に驚いた。

そのはず、あれから25年経ったのだから。


新劇場版が始まった2007年は30歳手前。

世の中は不条理だけど、付き合っていかないと。

あまり主人公に感情移入できず、映像美を楽しんだ。


しかし今回、父ゲンドウの独白に、共感してしまうとは。

ゲンドウの行動、言葉が自分が父親になって分かる。

小2,5の息子が考えている事は時には分からず、接し方に戸惑う事もある。

当たり前、息子といえども、違う人間だから。


父親といえども完璧ではない、弱さを認めて1人の人間として接すること。


1番大切なものは、目の前にある。

見えていない、見ようとしていないだけ。


25年前の自分に、少しは成長してるよと報告できるかな。

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