黄昏読書24 「嫌われた監督」鈴木忠平

中日ドラゴンズ監督の落合博満が指揮した8年間を番記者であった作者の視点で描かれている。

8年の間に4度の日本一、すべてAクラス入りといった圧倒的な成績をあげながら、何故フロントに嫌われ、ファンに嫌われ、選手から嫌われたのか。

 

徹底的な個人主義とも言われるが、プロ野球選手は個人の契約であり、体ひとつで勝負して生活している。個人中心となるのは当たり前であり、日本的な奉仕精神に疑問を持っている。

いつもベンチの同じ位置に座り試合を見ていると、今までとの違いに気づく。井端と荒木のコンバート、立浪と森野のレギュラー交代の意味も分かる。

 

落合にしか見えていないものがある。

 

自分も自分にしか見えない眼を持ちたいものだと感じさせられる一冊だった。