黄昏読書9 「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 」 山﨑圭一
歴史とはなんでしょう、と聞かれるとき、
「それは、大きな世界です。かって存在した何億という人生が、そこにつめこまれている世界なのです。」と、答えることにしている。
司馬遼太郎 21世紀に生きる君たちへ
本書は非常に読みやすく、一つの物語のようだった。
地域ごとに分類され、主語が極力変わらず、年号がないため余計な情報はなく、読み手が理解しやすいように整理されていた。
読んだ感想としては、善悪は簡単に分けることができない と思った。
前回のナウシカ考(黄昏読書8)で書いたように二元論を簡単に持ち出してはいけないなと。
その時は悪でも歴史的に見て、後世では善となることもある。
そして、その逆も。
フランス革命までの流れは印章的だった。
平民が自由と平等、国民主権を勝ち取り、王を倒しても、結局ナポレオンのような独裁者を生んでしまう。
「王を倒す」→「王がいない」→「みんなで独裁者を選んでその支配を受ける」
国民の総意で選んだ権力者である以上、国民のすべてがその支配に従うのも総意であるため、ある意味(たとれ善良な人物であろうとも)追うよりもずっと強力な独裁者になりうる。
ユダヤ教とキリスト教、イスラム教のシーア派とスン二派、キリスト教のカトリックとプロテスタントなど宗教も分裂していまい、今も影響を与えている。
あと、中国の独裁的な性質は何千年前からも同じで、良し悪しではなく、我々とは考え方が違うのは仕方がないことであることも。
これからどんな時代になるのか予想はつかないけど、デジタル化がキーワードのような気がする。
コロナを通してみると、個人自由主義の欧米よりも監視社会の中国や一部のアジアの国の方が感染拡大という一面には優勢だ。
先進国を超えていくのか不安がある。
(次は書評にあった「デジタル化する新興国」を読もう)
急にここから視点が変わるが、我々の理学療法の業界もデジタル化が必要。
病院主体の理学療法1.0 →
起業・学校保健・予防など職域拡大の理学療法3.0
(個人的に勝手に名称をつけています)
次の4.0はデジタル化の波にのれるか。
AIやロボットなど使いこなすPT と 使われるPTの2極化の時代に生き残っていけるよう新たな知識と技術を習得しないと。
https://tasogaredokusyo.hatenablog.com/